2009年06月18日

民間療法としての瀉血

ハンセン病の「悪血」を排出することを目的とした瀉血は18世紀以降際立ってくる。古代中国の医書「黄帝内経」に患部の腫れた所から瀉血する記載がある。日本の近世医書にも当初から同病の瀉血療法に関する記載は珍しくない。しかし実際に瀉血することは稀であった。しかし18世紀半ば以降行なわれるようになったのは西欧の瀉血の影響であろう。難点は大量の出血を伴うことである。


瀉血の汎用時代

初期の頃には創傷によって皮下に溜まった膿などを排出させる治療行為であったが、時代を下ると打撲や骨折によって生じた炎症部分を切開し、炎症の軽減を求めるためにも利用され、他方頭痛ではこめかみの血管を切開して、頭痛の軽減を図ろうとしたりする方向へ発展した。この時代においては瀉血は一般的な療法として民間でも行われ、現代の床屋の看板「サインポール」の元である「赤・青・白の縞模様」の由来にもなっている。

なお頭痛治療に於ける瀉血に関しては、頭部穿孔(トレパネーション)の類型であると見なすことも可能だが、その一方で現代医学の範疇でも多血症(下記参照)に一定の症状軽減効果がある事が知られており、当時としても瀉血療法を施した患者の中に、理由がわからないながらも、一定の効果があった、そしてそれが経験的に知られていた可能性もある。ただ、症候学の未発達な時代でもあったため、多血症に原因がある頭痛にもそれ以外の頭痛でも区別されず、一律にこれら施術を行っていた部分もあるなど、必ずしも根拠に基づいた医療ではなかった。

更に時代を下ると伝染病や敗血症・循環器系障害等にまで積極的に汎用(乱用)されたという。この時代においては衛生の維持が不十分であるため、切開部が感染症を引き起こす事も多く、また体力が落ちている患者にまで瀉血療法を行った結果、徒に体力を損耗させ、死に至るケースも珍しくなかった。そのケースに当てはまる可能性のある著名人には、エイダ・ラブレス、モーツァルトなどがいる。

一部では神秘主義と結合し、体内に巣食った霊的な禍が、血液と共に排出されると考えられた所もあり、このような瀉血の汎用は長く続き、またヨーロッパ一帯に広まって近代医療の発展する時代まで続いたという(呪術医の項を参照)。

後に徒に体力を消耗させる瀉血療法の治療効果が疑わしいとして、18世紀以降には次第に汎用される事は減っていった。

『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
瀉血って民間療法で行ってもいいのかな。少し怖いです。

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